人 渡り鳥 風が吹く草原をすれすれに渡り鳥が2羽飛んで行く。 空を駈けるように飛んで行く。 きみたちの見る世界はどんなのかな? きみたちの感じる時間てどんなのかな? ぼくは時々鳥になりたいと思う。 人鳥
人 水面(みなも)の薬草 水面に生える薬草を近くの川にとりに行く。 三枚葉のその植物は、美しい水にしか生えません。 昔はどこの川にも生えていたのに 今では山間の小さな川に生えるだけ。 貴重な薬草を絶やさないようにとりに行くのはこれが最後。 わたしたちは、ここを離れて 今度はまちがいのないように暮らす旅に出るのです。 人植物
人 大丈夫 たとえばあなたがなにかを創造したとして、 それなのに誰にも興味を持ってもらえなかったら? ふふふ、でもがっかりしなくてだいじょうぶ。 あなたのことをあなた以上にわかっている天使が そんなあなたを作品ごと興味を持って どこかで見ていてくれているから。 人天使
人 旅 旅にでたのは、なにもかもいやになっちゃったから。 どこか遠くに行ったらなにか楽しいことがあるかもと思ってさ。 あとで知った事だけど、このときうしろから天使が着いて来ていたんだよ。 だからこの旅は、ぼくにとってとてもすばらしいものになったのさ。 ときには、全部を放っぽりだすのも悪くはないなぁ。 人天使架空の生き物
人 カギ あるひとりぼっちのさみしい夜、 ふわりと天使がやってきた。 片手にカギを持って、わたしににっこりほほえみかけたよ。 そのカギはいったいなに? ときいたら、 あなたにあげるためのもの と、こたえたよ。 なにのカギ? ときいたら もっているだけで、あなたに必要な扉がすべて開くカギだよ。 とこたえて、ぱっと消えちゃった。 そこまでは夢だと思ったけど、 朝起きたら、 やわらかな布団の上に小さなカギがあるのをみつけたよ。 人天使架空の生き物