バク

夢を食べるバク

かわいいバクが誰かの夢を食べてテクテク歩いてお家へ帰る。 わたしが作った門をふたつくぐるとそこはバクのお家のある世界。 食べた夢はただおいしいだけ。 楽しい夢は甘い味。 怖い夢はしょっぱい味。
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奇跡

ずっとずっと遠くから白鳥たちがめずらしい花を持って来てくれました。 一羽がひとつづつくわえてわたしのところにやって来てくれました。 先に来た3羽はわたしに花を渡すとまたどこかへ旅立って行きました。 この花は、わたしがとてもほしいと思っていた花です。 だけど誰にもそれを言ったことはありませんでした。 これは奇跡。 なぜならこの花は、もうどこにもないと思っていた花でもあるから。 だけどあらゆる奇跡が起きるのを許すことが出来たら 奇跡は普通に起こることとなり 世界をもっと信頼できるようになるのですね。

つた

つたを取りに行く。 使い勝手の良い少し大きめのかごを編むため そして、今年の豊作を願う祈りのリースを作るため。 つたは最初、それぞれに巻き付いている木から離れるのが イヤだと言った。 だけど、そのうち大切に使われるのなら かごになるのも別にいいのではないかと思い、 神様との橋渡しとなる祈りのリースになるのもまた価値のあることだと 考えを変え、はらりと木に巻き付いた力をゆるめたのでした。
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さっさと避難

鳥のお母さんがこの前から何者かがかわいい息子を狙っているので助けてと ぼくのところにやって来たので ぼくはさっそく助けに行きました。 まだ、ぜんぜん飛べないかわいいけど大きなヒナを よっこらしょと入れ物に入れて安全なぼくの家へと草原を運んだよ。 なんとなく遠くからくやしそうに見ている何者かの視線を感じたので ああ、間に合ってよかったなって思ったよ。

あなたの足下のずっとずっと下にある世界。 そこには水もあり、植物もあり、そして生き物もいる。 ある時、その世界の人が水たまりでさらに下の世界の人と通信していた。 世界は幾重にも重なって、たとえそんなことは知らなくても そのようになっていてただただ境界線もなくつながっているのだそう。

なわとびぴょんぴょん

ともだちとなわとびぴょんぴょんぴょん! 地球の上をそろってぴょん!! もしも100人ぴょんぴょんしたらどうだろう? 地球にちょっとはひびくかな? もしも1000人ぴょんぴょんしたら たぶん地球も目が覚めるよ もしも10000人がぴょんぴょんしたら きっと地球が怒り出す。 だから、3人くらいは勘弁してね。

天才の庭

彼は産まれたときから誰に教えられることもなく 周りの人とは違うものを見ていました。 彼は数学の天才です。 ほとんどの物が見ようと思えば数字に見え、 それらは全部彼の一部となりました。 彼の趣味である庭作りは 彼の頭に心地よく 庭はにぎやかすぎる人たちに邪魔されず 自分の世界にそっといられるパラダイス。

月の守り人

どの星もいずれ最後の時が来るのですが それぞれの星には密かにその星をつなげていく役割の家系があります。 彼は月の守り人。 月を永遠につなげて行くのが彼の産まれた家での昔からの役割です。 月の子どもを背負って大切にお世話しています。 この夜も空を見上げ今空にある月の様子を観察します。 まだまだあの月は大丈夫。 彼の生きている間はただただこの月の子のお世話を させていただくだけでいいにちがいないけど もしものことがないように夜空をながめるのも立派な彼の仕事。 世界を作るのはたぶんすべてがだれかとの共同作業。
神様

神様のんびり

神様がのんびりごろごろしていると鳥たちが寄って来て みんな神様のぽっこりお腹に乗りました。 神様にもいろいろお仕事ありまして この神様のお仕事はのんびりすること。 のんびりするのもりっぱなことだ。 のぞいているのも神様で 自分の仕事ととっかえてほしいなとうらやましく思うのでした。 だけど、ほんとは仕事なんて自分で自由に選べるんだから あんたものんびりを仕事にすりゃいいよ、 と鳥をお腹の上に乗せた神様は言いました。

ホトトギスの声

森の動物たちと遊んでいたら 高いところからホトトギスの鳴き声が聞こえてきた。 空に響き渡るその声は、今いる世界を一瞬で天国にしてしまう。 ホトトギスのうつくしい声を聞くとなつかしい君と過ごした すばらしい時を思い出すよ。 君が今いる世界でも ホトトギスのうつくしい声が聞こえますか?
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