人 一人旅 ひとりで小さな荷物だけ背負って、先の見えない旅に出る。 でも、自分にとってよい道は、必ずそれとわかる目印がある。 追って来た者がたとえ悪い者でも 自分の道をどんどんどんどん進む時、 いつの間にか白く良い者に変わって行く。 ひとりの旅はどこまでもひとりだけど それでも旅は意味のあるもの。 人動物
人 沈まない太陽と釣りの時間 沈まない太陽が地平線からのぞいてる冷たい大地で釣りをする。 ここは水の上を穴のあいた軽い大地が広がっている。 大地の下はどこまでも青い水がつながっていて そこには小さなきれいな魚が無数に住んでいる。 少し離れたところでぼくたちの釣りを、何者かがのぞいている。 だれも音を立てずに過ぎて行く釣りの時間。 人動物
人 視線を感じて 植物図鑑を片手に写真を撮ろうと出かけた紳士は ふとうしろに視線を感じました。 振り返ると大きな婦人がいてその肩には真っ白い猫がいました。 視線はその猫のものでした。 声も出さずに紳士を振り返らせた猫は ただじっと目を合わせるだけでしたが その紳士のことがとても気になるようでした。 人猫
人 湧き水 ある湖のわき水がとびきりおいしいから 毎日それを汲みに行きます。 今日はそのわき水のところまで行ったら ふと誰かがこちらを見ているように感じました。 もしかするとそれは、その湖のある森の精ではないかしら? そう思いました。 人
人 小さな姫といとおしい時間 夢の時間はあっという間に過ぎて行くから たいせつに過ごさなくちゃいけないね。 何でもない毎日、 なんでもない出来事、 そして、やさしいぬくもり。 ひとつひとつたいせつに。 人猫